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 スズキ株式会社 四輪ボディー設計部 第三設計課 係長 西村 浩司 氏

自動車ドアの最新技術を聞く ~軽量化とドア閉まりについて~(2)

**東陽テクニカルマガジン【第23号】2017.1より掲載

「自動車ドアの最新技術を聞く」コラム一覧

自動車メーカー主催による日本初のドアサミット開催

—— : さて、次に伺いたいのはドアサミットの話です。今年(2016年)から始まったドア開発設計者が集うイベントですね。

西村浩司氏(以下、西村):そうです。日本の自動車メーカーが主催し、今年は1月と5月に2回開催しました。5月の第2回には日本の自動車メーカー全社と日本のいくつかの部品メーカーのドア技術者40名以上が参加しました。ドア技術者のための国際ベンチマーキング会議としては「Doors & Closures in CarBody Engineering」が7年前から毎年1回ドイツで開催されていますが、日本では今年からドア技術者の集いが始まりました。

—— : どのような内容の集まりになったのか、ご説明ください。

西村:自動車のドア技術に特化した技術講演をして、そのあとに参加者全員でディスカッションをするのが基本メニューでした。今年の講演は「ドアの軽量化技術について」と題してスズキがやらせていただきました。ディスカッションのテーマは「ドア閉まり・ドア閉まり音などの評価方法」や「ドアに特化した将来技術」でした。ドアに関連する最新の技術情報もお伝えしました。今年は御社がドア関連の計測器の情報を伝えてくれましたね。

—— : このドアサミットは、西村様が開催を企画したイベントだと聞いております。どのようないきさつでドアサミットをしようと考えられたのですか。

西村:昨年、初めてDoors & Closures in Car Body Engineeringに参加させてもらったのです。各国のメーカーの技術者による技術講演を聞いて、内外のドア技術者とディスカッションし、親睦会で親しく話をしました。私は初めて他社のドア技術者と意見や情報の交換をしたのですが、技術的な刺激をうけて考えが深まるし、技術的な好奇心がわいてきてワクワクしました。ひらたい言葉で言えば、楽しかったのです。しかし日本には、そのような場がありませんでした。日本でも自動車技術会ではエンジンやボディー、先進技術などのシンポジウムが開かれて、それらの技術者のコミュニティがあるようですが、ドア技術者が交流する場はなかったのです。私は日本にもドア技術者が集い語り合う場があったらいいなと素直に思いました。

—— : 発想の原点は、そこにあった。では、いかに展開なさったのですか。

西村:はい。御社が今年初め、イージーメトロロジー社のドア測定器のセミナーを何度か開催されました。私は興味をもって、そのセミナーに出席しましたが、そのときセミナーには日本のドア技術者が集まっているという当たり前のことに気がついたのです。それで、ここに集まっている人たちに呼びかければドアサミットが実現できるかもしれないと思って、御社へ協力をお願いしました。そこから第1回ドアサミット開催まで一気に動き出しました。実際に第1回を開催してみると、各社のドア技術者のみなさんの反応がすこぶる良かったです。

EZ Metrology社 ドア開閉エネルギー計測システム 「EZ Slam2」br ドア評価に必要なパラメータを全て同期して計測し、かつ計測パラメータを全てエネルギー値に変換することができる世界初の計測システム。ドア閉まりの一連の動作を計測、解析、比較ができる。

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ドアサミット継続開催に向けて「日本のドアを良くしていこう」

—— : 私たち東陽テクニカのスタッフは、ドアサミット開催へ向けてのお手伝いをしながら、日本のドア技術者のみなさんの技術を語り合いたいという気持ちをひしひしと感じていました。

西村:ドアサミットをやりませんかという私の提案に対する反応は、想像以上に大きく熱心でした。私はドアサミットができたらいいなと思って提案をしただけで、実は各社のドア技術者のみなさんの方が、集い語り合う場を欲していたのだと思いました。そこで技術的な議論をして技術を深め、より多くの情報を収集して広範囲に考えたいと、多くのドア技術者が望んでいたのです。ドアはボディーの一部ですが、ドアにはドア技術者しか体験できない技術開発の難しさと苦労がありますから、そこはドア技術者だけで語り合いたかったのでしょう。私が何かをしたというより、提案のタイミングが良かっただけなのだと思っています。

ドアサミット継続開催に向けて「日本のドアを良くしていこう」

—— : 今後のドアサミットの方向性を、どのように考えられていますか。

西村:現在は各社にドアサミットを担当する代表を決めてもらい、その人たちと打ち合わせているのですが、年に一回、第2回同様に5月の「人とくるまのテクノロジー展」にあわせて開催しようという機運が高まっています。活発に意見や情報の交換をして、語り合って刺激しあい、情報をわかちあうのは、もちろん意義のあることで、各社それぞれが競争力のあるドアを開発することに直接つながると思います。また交流を楽しむのも、ドア技術者たちの活性を生むと思います。そのうえでドアサミットは、発展的なテーマをもちたいのです。ドアサミットを継続的に開催していくためには意義のあるテーマが必要です。すでに何人かのドア技術者のみなさんから懇親会の場で「日本のドアを良くしていこう」というテーマをもったらどうかというご意見がでています。欧州や米国のメーカーに勝る日本の自動車ドアを開発するためにドアサミットがあるというテーマと位置づけです。無論、私も賛成です。

—— : ぜひ弊社も積極的に協力をしたいと思います。また大いにドア計測器の情報もお伝えしたいと思います。

西村:さまざまなドア計測器で手軽に多種のデータが取れることは、技術開発や生産の合理性と品質を向上させることだと、ドア開発設計の一人の技術者として期待しています。ぜひドア計測器についての多くの情報をいただきたいと思います。

—— : ドアサミットの発展を待望しております。本日はお忙しいところ元気で貴重なお話をありがとうございました。

*東陽テクニカルマガジン【第23号】2017.1より掲載

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