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コラム音・振動解析2012/01
音・振動問題を解決する新しい考え方
~伝達経路解析を用いた効率的な音・振動対策~
 2/2 株式会社東陽テクニカ
機械制御計測部 村田 法生
コラム音・振動解析2012/01
音・振動問題を解決する新しい考え方
~伝達経路解析を用いた効率的な音・振動対策~
 2/2 株式会社東陽テクニカ
機械制御計測部 村田 法生
*東陽テクニカルマガジン【第3号】2012.1より掲載
PAKシステムによるTPAの利点
1.センサーを取り付け実稼動状態で計測 

実験期間が圧倒的に短縮されます。車両の例ではエンジンの取り外し作業や、ハンマリングやスピーカを用いた計測が不要になります。これまで2,3週間かかっていた計測を2,3日程度で終えることが出来ます。

2.クロストークキャンセル機能を搭載

シミュレーション精度が向上します。主成分回帰法を用い、廻り込み現象をキャンセルさせ、各音源から評価点まで伝わる音・振動の伝達特性を1つ1つ切り分けることができます。

図4.クロストークキャンセル機能の計算
図4.クロストークキャンセル機能の計算
3.シミュレーション結果を時系列データで蓄積(タイムドメインTPA)

従来までのシミュレーション結果は周波数分析結果のみだった為、シミュレーション結果を音再生したり二次処理したりすることができませんでした。時系列データで蓄積することで各音源の応答点への寄与度の把握、音再生、加工シミュレーションが容易になります。

図.5 実稼動データを用いた伝達経路解析 解析例
図.5 実稼動データを用いた伝達経路解析 解析例
上記のようにこれまでにない画期的な製品が実現でき、Mueller BBM 社 PAKシステムは国内外を問わず各社からの高い評価を受けております。
逆転の発想
上記までの実稼動データによる伝達経路解析は効率よく、精度的にもよい結果を得られますが、さらにこの手法を発展させることで目標とする音を実現する為の対策部位を見つけることができるようになります。この方法はRMA(Response Modifi cation Analysis 以下RMA)と呼ばれ、新たな機能として株式会社 本田技術研究所により検討されています。
RMAの基本的な計測方法は上記までの実稼動データによる伝達経路解析と同じです。従来との違いは得られた解析結果を利用し、応答点に対する各音源の寄与を把握するだけでなく、目標とする応答点を実現させるためにはどこを対策しなくてはいけないのかを教示してくれる点にあります。 すなわち、これまで悪い点を探すという受動的な解析手法であった伝達経路解析から目標を実現するための対策部位を探すという能動的な解析に発展させた手法になります。
図6.RMA 概要
図6.RMA 概要
RMAの利点
1.対策箇所をピンポイントで示す

応答点におけるターゲットを示すことで、どの部位の信号がどのような信号であればターゲットを実現できるのか示します。

2.ターゲット作りの自由度

ターゲット音の設定はさまざまなフィルタを組み合わせて作成することが可能です。回転数の次数成分やバンドパス・ストップフィルタなどを組み合わせることができます。

3.過渡応答に対応

過渡的な音に対しても有効な方法になり、フィルタの適用始めのフェードインや適用終了の フェードアウトを設定できます。

図7.TPAのイメージTPAは各音源から伝わる 音・振動を合算させ応答点として考える
図7.TPAのイメージ
TPAは各音源から伝わる 音・振動を合算させ応答点として考える
図8.RMAのイメージ
図8.RMAのイメージ
RMAは応答点側から各音源の音・振動がどのような音・振動であればよいのかを示す。
おわりに
“実稼動データによる伝達経路解析”が発表された当初はその画期的なアイデアから賛否が問われることもありましたが、音・振動を解析する重要な解析手法として認められてきており、自動車業界を初めとして様々な業種で使用され始めています。さらに現在取り組んでいるRMAは従来のアイデアを逆転させた発想から生まれた内容になり、ターゲットとなる音・振動を実現させるための有効な手法になることが期待されます。
*東陽テクニカルマガジン【第3号】2012.1より掲載

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プロフィール
13730_ext_42_0.png 村田 法生
東陽テクニカ
機械制御計測部

1998年 東陽テクニカに入社。
主に周波数分析装置などを用いた音、振動の計測・解析機器を担当。

 
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