押し込み試験におけるサンプルの傾きによる影響

ナノインデンターでは平坦な試料面への押し込み試験が従来多く行われてきました。しかし、より製品に近い形態では試験面が傾いている場合が考えられます。そこで、斜面への押し込み試験を実施した場合に、測定結果であるヤング率と硬度にどのような影響を及ぼすかを検討しました。

ナノインデンテーション試験で標準的に用いられるバーコビッチ圧子の形状をは下図の通りです。


バーコビッチ圧子の形状と平坦な面へ押し込んだ場合の接触投影面積

 


傾き角度αと接触投影面積

傾き角がない場合の接触投影面積算出に使用する定数A0(この場合24.565)と傾き角がある場合の定数Aα、傾き角により発生するヤング率と硬度の誤差率を下表にまとめました。

傾き角

α

面積算出の定数

Aα

面積の誤差率

Aα /A0

ヤング率の誤差 硬度の誤差

-5

28.097

1.144

6.50%

12.57%

-4

26.663

1.085

4.01%

7.87%

-3

25.676

1.045

2.19%

4.33%

-2

25.036

1.019

0.94%

1.88%

-1

24.679

1.005

0.23%

0.46%

0

24.565

1.000

0.00%

0.00%

1

24.673

1.004

0.22%

0.44%

2

24.990

1.017

0.85%

1.70%

3

25.517

1.039

1.88%

3.73%

4

26.261

1.069

3.28%

6.46%

5

27.240

1.109

5.04%

9.82%