事例紹介・技術資料

第1回 イントロダクション / 音や振動のアクティブコントロール

「逆相の音によるノイズ低減」:40年以上にわたってこの魅力的でキャッチーなテーマは物理的な存在以上に注目を集めています。事実、この手法は部分的にでも不快と感じられる音場、つまりはノイズの存在する音場に対して有益で役立つアプリケーションとして認められています。この手法及びその音響工学の応用的拡大は多くの人に受けいれられてきました。

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スピーカ計測・評価技術 / 第6回 スピーカ特性シミュレーションとモデルベース聴感試験

いいスピーカとは何か、測定によって数値化して、その数値が高いほどいいスピーカである、という風に定量化ができればスピーカの開発は苦労しないと思います。ご存知の通り、今のところそのような測定器はありません。そのため、実際に聴感試験を行い、製品を評価します。

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スピーカ計測・評価技術 / 第5回 ビリつき音(Rub&Buzz)

スピーカより発生するひずみは、その発生原因毎にいくつかの種類があります。主に、定常的に発生する線形ひずみ、スピーカの駆動状態によって発生する非線形ひずみ、そして、接触や異物によって発生する非定常ひずみ=Rub&Buzz(以下、ビリつき音)に分類されます。中でも、ビリつき音はその性質上、非常に耳に付きやすく、製品の品質に大きな影響を与えます。

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スピーカ計測・評価技術 / 第4回 スピーカから発生するひずみ

いいスピーカとはどのようなスピーカでしょうか。ハイレゾ対応のものや、心地いい低音が鳴るもの、原音を忠実に再現するもの、といった様々な特徴を持つスピーカやイヤホンがある中で、その音響製品を使用する各個人がそれぞれ異なる感性や価値観をもって、その良否を判断します。ではスピーカの設計者は、ユーザがそのスピーカで音楽を聞いた時にどう感じるかを、どのように評価するのでしょうか。

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スピーカ計測・評価技術 / 第3回 大信号時のスピーカ特性

スピーカユニットは、小信号で駆動しているときと大信号で駆動しているときでは、その性質が異なります。小信号時=ボイスコイルの変位が小さい時は線形であるのに対し、大信号時=ボイスコイルの変位が大きい時は非線形性を持ち、ひずみの原因となります。どの程度の電圧/音量で大信号、つまり非線形領域での駆動となるかは、そのスピーカユニットのサイズや重さ、形状で決まります。
線形駆動時の特性は、第1回のT/Sパラメータで解説いたしました。今回は、大信号時の非線形の性質をどのように定量化し評価していくか、解説していきます。

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AD変換の基礎 / 第5回 デルタシグマAD変換器

連続的なアナログ信号から離散的なデジタルデータへの変換を請け負うADコンバーター(Analogue-to-Digital Converter)は、データ収集の中で非常に重要な役割を果たしています。ADコンバーターの発展は長い歴史を持ち、現在に至るまでに様々なタイプが存在します。リアルタイムデータ収集に最も良く使われているタイプは、いわゆるシグマデルタ型ADコンバーターです。

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AD変換の基礎 / 第4回 測定レンジ

アナログ信号の入力をデジタル信号データへ変換する際には、AD変換器(Analog-to-Digital Converter)を使用します。通常、ひとつのAD変換器があらゆる信号レベルの入力を変換できるわけではなく、変換可能な信号レベルは、仕様の最大電圧(例えば、1.2Vなど)に制限されます。しかし、変換器側では、必ずしもその仕様に応じた電圧を出力しているわけではありません。そのような場合、入力信号の側が、測定“レンジ”に合致するように、増幅(もしくは減衰)されています。この測定レンジは、ユーザー自身が設定するか、もしくは、信号を取得するシステムが自動で適切なレンジを検出します。

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AD変換の基礎 / 第3回 量子化

エンジニアが取り扱う信号のほとんどは連続的です。例えばFigure1の青線で示すような信号であり、経時変化する電圧、温度、加速度信号などがその代表例です。コンピューター上でこのような信号を取り扱うためには、一度、AD変換(Analog-to-Digital Conversion)を行う必要があります。AD変換で生成されたデジタル情報は、元となるアナログ信号とまったく同じでは無く、Figure1に示す黒線のようになります。

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AD変換の基礎 / 第2回 オーバーサンプリングによるアンチエイリアシング

エイリアシングの影響を最小限に抑えるための手法として、アナログ信号の段階でローパスフィルターをかける方法があります(※「アンチエイリアシングフィルター」の項目を参照してください)。アナログフィルターは、抵抗やコンデンサーといった電気部品で構成されています。

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