I-V特性とインピーダンスの同時解析

I-V特性とインピーダンスの同時解析

BioLogic社製電気化学測定装置に付属のEC-Lab ソフトウェアには電流制御によるインピーダンス測定を行う「GEIS」テクニックが搭載されています。本テクニックでは、シーケンス設定を使用することで、直流成分(バイアス電流)を段階的に変化させながら、その各ステップにおいて交流インピーダンス測定を行うことが可能です(図1)。これによりサンプルのI-V 特性とインピーダンス特性を同時に取得することが可能です。

図1. (左)EC-Lab「GEIS」設定画面、(右)直流成分(バイアス電流)の段階的印加

一例として、実際のGEIS測定例を以下に示します(図2)。
<実測データ測定条件>
■ 測定テクニック : GEIS
■ 直流電流 : 0.95A ~ 7.5A
■ 交流電流 : 直流電流の1/10
■ 周波数範囲 : 1kHz ~ 100mHz

図2. 各直流電流値におけるナイキストプロット

EC-Labソフトウェアに搭載されたプロット機能を活用することで、「GEIS」測定から得られたデータをもとに、電流密度ごとの電圧値や、任意の周波数におけるインピーダンス成分をプロットできます。
これにより、従来は別々に行っていたI-V測定とインピーダンス解析を、単一の測定結果から効率的に出力することが可能です。

例えば、得られたデータを用いて電流密度に対するセル電圧の変化をプロットすれば、I-V曲線を描出できます(図3)。また、特定周波数におけるインピーダンス値を抽出することで、膜抵抗やその他構成要素の抵抗値の変化を電流依存で解析することが可能です(図4)。
さらに、等価回路フィッティングの結果から直列抵抗や容量値など特定の要素を選択し、その値をプロットすることもできます(図5)。

 

図3. 電流値における電圧値(I-V曲線)

 

図4. 電流値における1kHzのインピーダンス値

 

図5. 直列抵抗成分の推移

上述の表示の設定方法は以下の通りです(図6)。
■X軸に〈Ewe〉、Y1軸に〈I〉を選択することで、I-V曲線(図3、直流成分)を表示
 Y2軸に|Z|を選択することで、インピーダンスデータ(図4、交流成分)を表示
■「Frequencies」から表示したい周波数を選択(図5を表示)

図6. EC-Lab「Selector」画面

 

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株式会社東陽テクニカ 脱炭素・エネルギー計測部