ResiTest8300シリーズ 比抵抗/ホール測定システム(大橋 直樹 氏)

ワイドギャップ半導体の研究に取り組んでいる独立行政法人物質・材料研究機構 環境・エネルギー材料部門 光・電子機能グループ(以下、光・電子機能グループ)では、ResiTest 8300を利用して酸化物半導体や窒化物半導体などのホール測定を行っている。ResiTest 8300の使い勝手などについて、光・電子機能グループでリーダーを務める大橋 直樹 氏に詳しく話を聞いた。

光・電子機能グループの研究概要

-- 独立行政法人物質・材料研究機構についてご紹介ください

独立行政法人物質・材料研究機構(略称、NIMS)は、2001年4月に当時の金属材料技術研究所と無機材質研究所が統合して発足しました。 物質・材料科学技術に関する基礎研究および基盤的研究開発等の業務を総合的に研究している機関として、材料分野の発表論文数や論文引用数も多く、世界的にも高く評価されています。 

※ 大橋氏は多数の論文を発表しており、大橋氏のホール効果測定へのこだわりは、J.Mater.Res.誌の23巻2293頁に掲載されたホール測定の論文からもうかがい知れます。

-- 光・電子機能グループにおける開発・研究のテーマについて教えてください

「ワイドギャップ半導体」が、光・電子機能グループにおける主要研究テーマです。 単結晶成長技術や薄膜合成技術などの材料合成技術を駆使し、より高度に制御された材料合成を行うこと。そして同時に、物質の物理的かつ化学的性質の解明を進め、基礎から応用にいたるさまざまな分野で光機能/電子機能を持った新たな材料の開発に、日々取り組んでいます。


ResiTest 8300の利用状況

-- ResiTest 8300をどのように利用していますか

インジウム・錫酸化物(通称、ITO)や酸化亜鉛等の酸化物半導体や、窒化ガリウムに代表される窒化物半導体といった素材に対して、電気的特性の評価を行うホール測定を実施するためにResiTest 8300を利用しています。

-- どのくらいの頻度で利用していますか

使用頻度が高いときは、一定の期間、毎日のように利用することもあります。

-- ResiTest 8300を導入したのはいつ頃ですか

現在、光・電子機能グループで利用しているResiTest 8300を導入したのは2005年頃になります。個人的には、旧バージョンの装置も含めると、もう20年以上ResiTestを利用していると思います。

ResiTest 8300の導入理由

-- ResiTest8300を導入した目的を教えてください

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「AC磁場ホール測定は非常に力強いツールです」(大橋氏)
半導体結晶の評価を実施する中で、ホール効果測定は欠かすことのできない評価手段です。論文等を発表する際、正確で信頼性の高いホール測定データを示すことが大切であり、そうしたデータはResiTest8300をつかって測定しています。また低移動度素材のホール効果測定もさることながら、半導体自身の問題ではなく、測定のための電極からのノイズ発生が深刻でDC磁場ホール測定では精度の高いホール係数測定が難しい場合などに関しても、ResiTest 8300による磁場が交流変調されたAC磁場ホール測定が非常に力強いツールとなります。

-- ResiTest8300を選択した理由を教えてください

AC磁場変調でホール起電圧を測定できる測定器が他にはないので、ResiTest 8300以外に選択肢がないというのが現状です。実際、ホール効果測定が出来ないと、半導体やセラミックスなどの研究や材料開発には大きな障害となるので、他の研究機関に設置されたホール効果測定装置が何らかの理由で使えなくなったときや、より高い精度のデータを得たい場合などに、他の研究機関の方が当研究所に来てResiTest 8300を使って測定を行うことなどもあります。
※ ACホール測定を実現する「ACホール起電圧法」は、東陽テクニカの特許技術です

ResiTest 8300は測定器として完成されている

-- 長年ResiTest8300をお使いいただいておりますが、評価はいかがでしょうか

これまで、さまざまな測定装置を利用してきました。その中でも、ResiTest 8300は使い勝手に優れ、完成度の高い測定器だと思います。

-- ResiTest 8300のどのようなところが使い勝手よいと思われますか

たとえば、ResiTest 8300で測定を行う際の操作はすごくシンプルです。PCの画面でいくつかの測定条件を設定して、「測定開始」をクリックするだけですから。
しかし、単に簡単だということだけでなく、ResiTest 8300のソフトウェアが正確で信頼性のある測定を行うために、各装置と我々人間とのインターフェイスとして機能し、装置を上手にコントロールしてくれます。

-- 完成度が高いというのはどのような点でしょうか

ブラックボックス化されていないというのがポイントです。誤解をおそれず言えば、ResiTest 8300は特別な機器ではなく、信頼性の高い優れた測定器をうまく組み合わせて、簡単かつ緻密に測定ができるようになっているだけだと思っています。これはすごく重要なことで、ブラックボックス化された装置で、実際にどのように測定しているのかわからないけれども、すごい結果が出てしまったというのが一番困るわけです。ResiTest 8300は、電圧計、電流計などの各機器のボタンを手で操作して手動で測定しているような感覚で、何を、どのように測定しているのかが明確にわかります。私たちにとっては測定の結果も重要ですが、なぜそのような結果になったかを証明することも重要なことです。効率的に測定を行い、すぐに測定結果を分析に取りかかることができるので、ResiTest8300は「完成度が高い」と評価しています。 ohashi-8300-2.jpg
「ResiTest8300は完成度の高い測定機だと思います。」(大橋氏)
写真:光・電子機能グループに導入されているResiTest8300

東陽テクニカの迅速なサポートを評価

-- ResiTest8300への要望などはありますでしょうか

これからも測定器として進化していくこともあるのかと思いますが、いい意味での「シンプルさ」と「わかりやすさ」は失わないようにしてほしいと思います。

-- 東陽テクニカへの期待などあればお聞かせください

ResiTest 8300は定期的なメンテナンスなどは受けなくても使えるので、普段、あまり東陽テクニカにお世話になることはないのですが、何かあったときはすぐに対応してもらえるのですごく助かっています。 今後とも、ResiTest 8300に限らず、使いやすくてリーズナブルな測定器の提供を期待しています。

取材協力

独立行政法人物質・材料研究機構 光電子材料センター 光・電子機能グループ
※ 所属は取材当時の組織名です
取材制作:株式会社カスタマワイズ

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