Teledyne TSS Ltd

DMS-05 ロール・ピッチ・ヒーブセンサ

DMSシリーズは最新技術を駆使して開発された新世代のモーションセンサーです。
DMSシリーズは特に海洋アプリケーションでのモーション計測をターゲットとして設計されています。マルチビームとの組み合わせにおいては、荒波 浪状況下の小型船でも正確に動揺を計測し、高品質で安定した測量をサポートします。総合的な性能だけでなく大幅な小型化と3000mの防水耐圧で優れた ポータビリティを提供し、ROVやAUVなどに特殊な耐圧ケースを用意することなく取り付けることができます。
また、DMSはリアルタイムでヒーブ、ピッチ、ロールデータをアナログ及びデジタルで任意のフォーマットで出力します。

特長

  • 革新的なシャーシ及びエレクトロニクスデザインにより信頼性を大幅に向上
  • コンパクトで軽量な高いポータビリティ
  • 速度補正可能
  • 船の操船及び旋回においてロール、ピッチ精度0.05~0.1°、ヒーブ精度5cm(DMS、CMS共通)を実現
  • ヒーブレンジ±10(DMS)~30(CMS)m、ロールピッチレンジ±45(CMS)~60(DMS)°
  • 3000mの防水耐圧、オプションで6000mまで耐圧可能。
  • 任意に設定可能の出力データフォーマット
  • 最大500Hzのデータ更新レート(アナログ)

テクノロジー

DMSは、主に直交3軸方向の直線加速度と、同じく直交3軸方向の回転動揺角(ロール、ピッチ、ヨー)を検出します。

DMS加速度/各速度計測フロー

加速度、各速度のそれぞれに異なる計測技術が組み込まれています。

(1)直線加速度の検出
(1-1)直線加速度の計測原理
直線加速度センサーの受感軸(図の動揺検知ディスク面の法線方向)は、それぞれの方向と一致しており、いかなる平面内の回転運動にも反応しないように作られています。
図の受感軸に対して加速度が生じると、図の右側のように加速度の大きさに合わせて、ディスクのたわみが大きくなります。

並進加速度の検出(1)-機械的な検出

このたわみの大きさから加速度を割り出すことになります。

(1-2)たわみ検出・フィードバック計測
たわみの大きさから加速度を検出するには、通常はたわみの機構を電気信号(パルス信号)に置き換えて検出する方式※1が主流です。

定常状態では、受感軸方向に力はかかっておらず、振り子(動揺検出板)は2つの永久磁石の中間位置にとどまっています。
このためコンデンサの両側の電極間に電位差は生じず、位置検出器が平衡状態にあるため、増幅器からは出力がありません。

加速度が働くと、板は永久磁石の中間位置から加速度の方向と反対の方向へ変位します。この結果差動コンデンサの両極板間に電位差が生じ、位置検出器→増幅器へ電流信号が流れ、結果として2つのコイルを駆動させます。このコイルは板を変位0へ戻すような働きをします。
この駆動電流の大きさは加速度の大きさに関係するため、出力信号はこの駆動電流から誘導され、波形整形・オーバーフローチェック、オフセット調整の後、加速度データとして利用されます。

※1:
高校の物理の範囲でこれを振り子の問題として考えるならば、このたわみの角度と加速度は比例することになっていましたが、厳密には比例関係が成り立つのはたわみの角度はきわめて小さな範囲であり、かつ屈曲部が十分に強度がある場合に限られます。
実際にはこの屈曲部は小さくかつ脆いので、角度を検出できるほどたわませた場合には戻らなくなったり、折れたりすることが予想されます。
このような事情から、通常はこのような角度計測による加速度検出手法は用いません。

(2)角度検出の原理
図のような振り子の特性を考えます。

1つの振動面で自由に振れる振り子

この振り子は、もち手(人)が図のように反対側に回っても、その振動面(図で左右に振れる方向に広がる面)はそれにあわせて回転することはなく、同じ面の中で振動を続けます※2
しかし、もち手にしてみれば、振動の方向が変わったように感じられるはずです。
この、「もち手から見て振動の方向が変わったように見える」ということは、もち手が回転した、ということと同じになります。動揺角計測ではこのような情報を取り出すための計測を行います。

※2:
ここでは、振り子は完全に自由振動をしており、地上におけるコリオリ力のような慣性力は働いていないものと仮定しています。

(2-1)カップ型圧電素子振り子による角度計測
DMSの振動部は、図のようなカップ型の直径数mm程度の水晶圧電素子になっています。全体が非常に小さいため、高周波で振動させることができ、計測周期を短くすることが可能です。

カップ型水晶圧電素子振動部

この水晶の周りには45°感覚で8つの電極が配置されており、2つのPDに送られるパルスによって常に振動しており、1次ピックオフ電極から駆動回路へ戻る帰還信号によってその振動の周波数と振幅が安定して保たれています。

水晶振動と信号出力回路

このカップ型圧電素子に対して回転運動が生じると、上の振動波形がCの方へずれ、Cも振動することになります。この振動を2次ピックオフ電極で検知し、その信号を復調して回転速度を求めます※3

※3:
厳密には、Cの振幅を直接検出するのではなく、サーボ機構により2次駆動電極(SD)に反対の振動を与える信号が送られて0に戻されます。そのときに送られる信号情報から回転速度を割り出していきます。

復調後の出力は、波形整形(バンドパスフィルタリングなど)、オーバーフローチェック、オフセット補正などを行い、データとして出力します。