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~水中音響計測技術による調査例~

近年、電波や光を使った技術は高度に発達し、多くの優れた技術が様々な分野で利用されています。画像や映像に関しては、人間の視覚を遥かに超える精度や感度で対象物を映す技術も多く存在しています。しかし水中では電波や光はすぐに減衰してしまうため、空気中と同様の技術が必ずしも使用できません。この「水中音響計測技術」はソーナーのように軍事用として開発が進められ、民間用にも転用されています。最近では人間の目で確認できない夜間や濁った水の中でも音波を使って対象物を明瞭に映し出すことができる技術が開発されています。当社海洋計測部ではこれら最新の水中音響計測技術を利用した製品を多数取扱っており、ここではそれら製品が利用されている調査例を紹介します。
 

港湾深浅測


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港湾や水路測量で最も重要な部分を担う深浅測量は、近年、音響測深機のデジタル化や、補正装置の高性能化等、急速にその技術が進歩してきています。その中でも主流として使用されるマルチビーム測深機を始め、東陽テクニカでは数多くのニーズに対応してきました。特に、現在深浅測量として最も一般的に使用されるマルチビームの分野では、国内隋一の販売実績とサポート力で確固たる地位を築くに至っています。
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海底地形測量イメージ

【マルチビーム測量システムの舷側装備の例】
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漁礁調査


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従来漁礁調査には、魚群探知機や音響測深機が使用されてきました。しかし漁礁の大まかな位置や大きさは調査できても、正確さに欠けるものでした。
また、人工漁礁投入する際、付近の海底地形が正確に把握できないため、天然礁の上や近接した地点に投入してしまうなど、計画と異なることも多く、さらに投入後においても実際の設置状態を正確に捉えることは困難でした。
以下に示すSonicシリーズマルチビーム測深機及びCM2型サイドスキャンソナーでは、従来の機器の欠点を補い、漁礁を含む海底の地形を高精度でかつ効率よく調査できます。
天然礁やサンドウェーブの分布状況を把握する海底地形調査、人口漁礁投入場所選定のための事前地形調査、さらには投入後の設置状態調査等、漁礁調査のあらゆる場面で有効に活用できます。
 
1.Sonicシリーズマルチビーム測深機
Sonicシリーズマルチビーム測深機は、256本の非常にシャープな音響ビームを扇状に海底に発射し、水深の約3.5倍の幅(130°スワッス幅)で海底地形を調査できます。また最大測深能力はおよそ400mですので、ほとんどの漁礁調査エリアをカバーします。
例えば水深40mの海域であれば140mの幅で3次元海底地形図やカラーコンターチャートをリアルタイムで表示、記録します。
このため測線間隔100mで測量することにより詳細な海底地形図や漁礁図を作成できます。さらに縦横10m、高さ3mの鉄鋼礁の形状を3次元で正確に捉えることができます。
システムの送受波器は突起物なしで船底に取付けられます。船上に設置される機器はパソコン2台分程度の大きさですので場所も取りません。


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沈船による人口漁礁3次元図
 
 
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Sonicシリーズマルチビーム測深機ブロック図

 
2.CM2型サイドスキャンソナー
CM800型サイドスキャンソナーは、曳航器から発射される左右1本ずつの薄い扇状音波が海底反射し、その強度を測定することにより、海底地形を航空写真上に出力します。マルチビーム測深機データとの違いは2次元で平面的になることです。原理上マルチビーム測深機とは異なり正確な水深値を得ることはできませんが、分解能が高く、より小さいものを捉えることができます。
従って縦横高さ1.5mの小型コンクリート礁の2次元的な形状や設置状態を確認することができます。
探査幅は100m~800mの間で切替えることができますが、漁礁調査に最適な幅は100m~300mです。測線間隔を広く取れるため効率的な調査が可能です。調査後得られたデータを基に海底地形モザイク図を作成できます。
システムはポータブル設計で、船上ユニットと曳航器より構成され、調査水深により50mから600mの曳航ケーブルを選択できます。最大探査水深はおよそ200mです。

天然礁脇に横たわる沈船漁礁
天然礁脇に横たわる沈船漁礁


ダム湖沼調査


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ダム湖沼における測量調査では従来、数メートルから百数十メートルの適当な間隔で横断線を切ってロープを張り、そのロープに沿って船を移動しながらシングルビーム測深機を利用して測深する測量が行われてきました。
しかし、この方法では測深密度に限界があり、詳細なダム底の地形データを得るのは難しく、正確な堆砂調査をするには問題がありました。
また、曳航式サイドスキャンソナーを使用することでダム底の地形データを取得する方法も取られてきましたが、対岸までの距離が短いダムや湖沼では曳航器を安定して曳航できるエリアが限られるため、あまり効率的ではありませんでした。
Sonicシリーズマルチビーム測深機は水深の約3.4倍の幅を120本のビームで一度に測深することが可能で、容易に高密度な測深データを得ることができます。
それぞれのビームは水深30mで約25cm、水深10mで10cmの物体を判別することが可能です。
これにより、地形を正確に把握することができるとともに精密な堆砂調査が可能になります。また、Sonicシリーズマルチビーム測深機によって測量されたデータは十分な密度をもっており、どの方向にでも断面を切ることができます。
その高密度な測深データは、堆砂調査だけでなくダム放水部の浸食調査にも有効です。
Sonicシリーズマルチビーム測深機5は非常にコンパクトなため、ダムなどで使用する小型船舶でも十分に使用することができます。
Sonicシリーズマルチビーム測深機はサイドスキャン機能をオプションで付加することができ、一般的なサイドスキャンソナーと異なり曳航する必要がないため、測線距離の短いダムや湖沼でも端から端までサイドスキャン画像を取得することができます。
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ボンネビルダムの放水路部
 

パイプライン・ケーブル調査


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海底にはすでに多くの各種電力ケーブル、通信ケーブル、パイプライン等が敷設されており、近年その調査、敷設管理の手法について注目されています。

【調査機器】
海底ケーブル、パイプラインに関連する調査として、以下の3つの分野に分けられます。東陽テクニカでは、全ての調査に対し、最適なソリューションをご提案することが出来ます。

1.ルートサーベイ
・ケーブル/パイプラインを敷設する、経路の調査
 

●マルチビームソナー
水深0.5m~10,000m以上において、複数のビームを用いて海底の深さを測深します。
中深海(200m~3,000m)では、近年ではマルチピングにより通常の測深器に比べ、2倍のピングレートを実現しています。
ex) SONIC series, SeaBat series, SeaBeam series


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●インターフェロメトリ-ソナー
水深0.5m~200mの浅海域において、幅広いスワッス(直下水深の最大12倍)を実現した音響測深器です。
ex) GeoSwath sereis
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●サイドスキャンソナー
反射強度により海底の状況をイメージ化する音響測深器です。 ex) CM2 series, Seabat series, Geoswath series, SONIC series
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 ・敷設経路設計
得られた海底の深度情報を基に、自動的に最適な敷設経路(ルート)を設計することができます。
ex) Fledermaus
 
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2.敷設施工管理
ケーブル/パイプラインの敷設時に、正しく設計通りの位置にケーブル/パイプラインが設置されているかの確認と、ロックダンピング後の状態確認を行います。
詳細情報を得るために、調査はROV/AUVに搭載された機器により行われることが多く、機器には高分解能が要求されます。
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・マルチビーム/インターフェロメトリーソナー
高分解能、ROV/AUVマウントに対応するソナーとして、SONIC2024, SeaBat7125-AUV, GeoSwath+AUV/ROV 等があります。

・AUV
スワッスソナーを備えたAUVとして、GAVIA AUVがあります。
GAVIAにはケーブル/パイプラインを自動的にトラッキングしてデータを取得する機能もあり、全てのルートをあらかじめ設定しなくても、自動的にパイプラインのトラッキングを行い、データを収録することが可能です。
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3.維持管理
定期的に、敷設したケーブル/パイプラインに漏れ、破断、障害物有無の状態を確認します。
この調査では敷設施工管理で使用するような、ROV/AUVや、ダイバーによる目視調査、超高分解能音響カメラを使用した調査等があります。

・音響カメラ
高周波音波を使用し、高分解能な海中イメージを得ることで、ケーブル/パイプライン等の詳細な管理が可能となります。
(下写真はパイプラインと、破断したパイプから噴出するガスの映像)
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・WCI (Water Column Imaging)
マルチビーム等のビームの水中部の反射強度を用いてイメージ化する手法で、海中のガスやオイルの噴出などを検出することが出来ます。
(下図はSeaBeam3050を使用してパイプからのガスを検出したところ)
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藻場調査


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現在、藻場調査には、主に音響測深機や水中テレビカメラ、サイドスキャンソナーが使用されています。しかし何れの方式も一長一短があり、またこれらの機器を組み合わせて調査を実施しても要求をすべて満たすものではありません。
このため当社ではマルチビーム測深機と底質分析装置を藻場調査に活用できないかフィールドテストを行ってきました。現在もテストは続行中ですが、これらの装置が藻場調査に極めて有効であることがわかりました(詳細は当社までお問合せください)。
下表はそれぞれの装置の藻場調査における有効性を示しています。
この表からわかるようにマルチビーム測深機+底質分析装置を組み合わせた場合、要求をほぼ満足します。
 
装置名 調査効率 種類判別測定 生育高測定 藻の繁殖面積測定
音響測深機
サイドスキャンソナー
水中テレビカメラ
マルチビーム測深機
音響測深機+底質分析装置
マルチビーム測深機+底質分析装置
 
1. Sonicシリーズマルチビーム測深機
Sonicシリーズマルチビーム測深機は、ビーム角度0.5°の非常にシャープな音響ビームを256本扇状に海底に発射し、水深の約3.5倍の幅(130°スワッス幅)で海底地形を調査できます。 周波数が400kHzと高いため、藻による反射も捉えることができ、かつ水平分解能が高いため、砂地、岩礁、藻の判別が可能です。最大測深能力はおよそ100mで、ほとんどの藻場調査エリアをカバーします。
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マルチビーム測深機によるアマモ繁殖域調査/東京大学殿ご提供
 

沈船調査 


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沈船調査には従来、シングルビーム測深機やサイドスキャンソナーが使用されてきました。特にサイドスキャンソナーは、一度に数百メートルの幅で探査できるため、沈船調査には欠かせないシステムです。
一方ここ数年で新たに沈船調査に使用されるようになってきたシステムが、面的に海底地形や海底に存在する物体を3次元で捉えることができるマルチビーム測深機です。

 
■ サイドスキャンソナーの特徴
サイドスキャンソナーは反射波の強度を測定してその相対差から海底の底質や沈船等のターゲットを判別します。従って砂や泥質の海底上に沈船が横たわっている場合には、反射強度に大きな差があり、かつ比較的海底面がフラットで、サイドスキャンソナーの音響の影で得られる船影がデータに現れるため、容易に発見することができます。
一方岩礁地帯に沈んでいる船は、岩礁との反射強度差が少ない上、海底面も凹凸があるため、サイドスキャンデータの音響影による判別も難しくなります。
さらに、曳航式であるため船速を実質6ノット以上に上げることは難しく、また沈船を発見した後、正確な位置を確定することが容易ではないという欠点があります。
しかしながら、沈船探査には確立された手法であり、測定原理上、データ分解能が他のシステムに比べ高いため、いまだ主力機器であることに疑いの余地はありません。
当社で取り扱っているCM2型サイドスキャンソナーは、浅海用のシステムで、小型ボートでも使用できるよう小型軽量、簡素化されています。従って沈船に限らず、港内に沈んだ事故車の探索等、少人数で機動力を生かした探査が可能です。



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防波堤際に沈んだ2隻の船(画面左側)
■ マルチビーム測深機
マルチビーム測深機は水深の2倍以上の幅で面的に海底や沈船を3次元で捉えることができます。システムは船に直接装備されるため、サイドスキャンソナーの持つ、位置が不確定である、探査速度が遅いなどと言った欠点がありません。また岩礁地帯での探索でも沈船の形状を捉えるので、サイドスキャンソナーに比べ容易に判別できます。
特にSonicシリーズマルチビーム測深機は、探査幅が水深の最大7.5倍と広く、かつサイドスキャン機能を備え同時に反射強度からの判別もできるため、沈船探査にとってほぼ理想的なシステムです。
また、最大耐圧1500mのソナーヘッドによりROVやAUVに取り付けての探査も可能なため、そのアプリケーションは沈船探査に留まりません。
 

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18mの海底に沈んだヨットを捉えた画像
    

機雷探査


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海底に設置された沈底機雷や係維機雷を事前に探知、識別する事は船舶の航行上の安全を確保するために非常に重要です。なお、システムの詳細に関しましては当社までお問合せください。
 

SonicシリーズFLSオプション 
SonicシリーズFLSオプションはワイドセクター、広帯域、フォーキャストマルチビームを持つ前方監視ソナーです。 256本のダイナミックにフォーキャシングされる受信ビームを生成し、高分解能で水中または海底に設置された機雷等を探知、識別します。ターゲットからの反射強度のイメージがソナーディスプレイにリアルタイムに表示されます。最短レンジでは、ソナー画像は動画に匹敵する水中画像で効率的に前方監視を行います。 トランスデューサは通常の海上船舶や動作水深4000mまでのROVもしくは潜水艦等のビークルに取り付けて使用でき、全水深レンジでの機雷探知が可能になります。機雷探知、水中検査、ダメージアセスメント、探索、回収等の用途に最適で、新次元の高精度かつ高分解能な水中イメージを提供します。   
 

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音響カメラARIS
音響カメラDIDSON-DH


主に、濁水中、夜間での使用に有効な製品です。音波を使用したアナログ信号をデジタル信号として高速処理することにより、音響映像とは思えない程の高分解能の映像を得ることができます。
小型・軽量なARIS/DIDSONは、ダイバーが保持しての水中撮影はもとより、水中ビークルへの装着、小型船への艤装と、取付や使用方法、場所を選びません。
また、DIDSON-DHは機雷探査用に開発されたダイバー向けのソナーです。船底や湾内に仕掛けられた機雷をダイバーの安全を確保しながら、捜索・発見することが可能です。  
 

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FarSounder


 米国 FarSounder 社製 FS-3/DT ソナーは船舶の前方± 45 度の海中をリアルタイムで監視し、海底や水中障害物を操舵手に知らせ安全航行を支援するためのソナーです。小型のソナーヘッドは、8000 本の音響ビームを受信処理し、海底の障害物を探査します。ソナーの効率が一般に大幅に低下する浅海域においても水深の8 倍以上の前方を監視できます。FS-3/DT ソナーは直径25cm の円柱状の小型ソナーと小型のパワーモジュール、および汎用コンピュータにインストールされた表示、警報ソフトウエアからなります。
この表示、警報ソフトウェアは自動で海底障害物を探知し、音と映像で警報を伝えます。

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はい (3)
いいえ (0)

アーカイブ

  • マルチビームサンプル画像

    SeaBatマルチビーム測深機で取得したサンプルデータをご紹介します。

  • 暗闇を照らす「音」
    ~水中音響計測技術で見る水中の世界~

    近年、電波や光を使った技術は高度に発達し、多くの優れた技術が様々な分野で利用されています。画像や映像に関しては、人間の視覚を遥かに超える精度や感 度で対象物を映す技術も多く存在しています。しかし水中では電波や光はすぐに減衰してしまうため、空気中と同様の技術が必ずしも使用できません。

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