Helix Coreサーバ管理者ガイド: 基本 (2019.1)

バックアップとリカバリに関する基本的な考え方

ディスク容量の不足、ハードウェアの故障、システムのクラッシュなどが発生すると、それによりHelixサーバのファイルの一部または全部が破損する場合があります。このため、Helixサーバルートディレクトリ構造(バージョン化ファイルおよびデータベース)の全体を、定期的にバックアップしておく必要があります。

バージョン化ファイルはHelixサーバルート以下のサブディレクトリ内に保存されており、バックアップから完全な形で直接復元することができます。

一方、Helixサーバのデータベースを構成しているファイルは、従来のバックアッププログラムによってアーカイブされた場合、トランザクションの整合性は保証されません。その結果、定期的に作成したシステムバックアップからdb.*ファイルを復元すると、不完全なデータベースが復元される可能性があります。損傷したデータベースの整合性を確保しながら復元するには、db.*ファイルをHelixサーバチェックポイントおよびジャーナルファイルから再構築します。

  • チェックポイントは、特定の時点におけるデータベースのスナップショットまたはコピーです。
  • ジャーナルは、最後のスナップショットが取得されてからそのデータベースに行われた更新の記録です。

チェックポイントファイルのサイズは、たいていの場合、オリジナルのデータベースと比べてかなり小さいです。圧縮すると、さらに小さくすることができます。一方、ジャーナルファイルは場合によってかなり大きくなります。チェックポイントが作成されるたびに切り捨てられ、より古いジャーナルは別の名前に変更されて保存されます。その後、古いジャーナルファイルをオフラインでバックアップすると、ローカルのディスク容量をより多く解放できます。

チェックポイントとジャーナルは両方ともテキストファイルであり、同一の形式です。チェックポイントと(使用可能な場合)それ以降のジャーナルファイルから、Helixサーバデータベースを復元することができます。

警告

チェックポイントとジャーナルにアーカイブされているのはHelixサーバデータベースファイルのみです。各ディポのディレクトリに保存されているバージョン化ファイルは含まれないことに注意してください。

チェックポイントを作成するたびに、必ず作成後にOS標準のバックアップコマンドを実行することにより、ディポファイル(バージョン化ファイルツリー)をバックアップする必要があります。

Helixサーバのデータベースに保存されている情報は、バージョン化ファイルと同様、失うと取り返しのつかないデータです。したがって、チェックポイント作成とジャーナル作成は、Helixサーバの管理のなかでも不可欠な要素であり、定期バックアップサイクルに組み込んでおく必要があります。