リモートディポと分散開発
Helixサーバは大規模なネットワークの待機時間に対処するように設計されており、本来、リモートサイトにクライアントワークスペースを持つユーザをサポートします。Helixサーバシステムは、共同開発者の地理的な分散に関係なく、1台のサーバで共同開発プロジェクトをサポートできます。
共同開発プロジェクトを分割し、複数のHelixサーバシステムで行っても、スループットが改善されることはなく、通常は管理が複雑になるだけでしょう。サイトが分散型の開発に参加している(個々の開発サイトの開発者が単一のコードにアクセスする)場合には、分散型のHelixサーバシステムを構築するほうがよいでしょう。Helixサーバの分散構成の設定と監視について詳しくは、『Helix Coreサーバ管理者ガイド: マルチサイト展開』を参照してください。
ただし、他の組織の成果物を定期的にインポートしたりエクスポートしたりする場合には、コードドロップの手順を合理化するためにPerforceのリモートディポは利用価値があると言えます。
リモートディポを使用する場合は、ユーザのクライアントアプリケーションは、ユーザのP4PORT
環境変数または同等の設定で指定されたHelixサーバを、2つ目のリモートHelixサーバへのアクセスに利用します。ローカルのHelixサーバはリモートのHelixサーバサーバと通信し、そのファイルのサブセットにアクセスします。
リモートディポは、共有開発ではなく共用コードをサポートするように設計されています。このオプションを使用して、別々のPerforceシステムを持つ独立した組織が、Perforceのそれぞれの環境で変更を反映できるようにします。簡潔にまとめると、次のようになります。
- 「リモートディポ」とは、Helixサーバ上に存在するディポであり、タイプが
remote
です。2つ目のHelixサーバ上に存在し、タイプが「ローカル」のディポを参照するポインターとしての働きをします。 - リモートディポのユーザは多くの場合、独立した組織間でソフトウェアの統合を担当しているビルドエンジニア、またはハンドオフの管理者です。
- リモートディポのユーザとそこに常駐するリモートサーバの管理者に対して、利用できるファイルを管理します。ローカルサーバのユーザに対してではありません。
- セキュリティの要求については、「リモートディポへのアクセスを制限する」を参照してください。
コードを共有するためのオプションについて詳しくは、フェッチとプッシュを使った分散開発を参照してください。