ビルドファームサーバを設定する
継続的インテグレーションなどの開発プロセスは、Helixサーバインフラストラクチャに対して大きな負荷を与える可能性があります。自動化ビルドプロセスは、Helixサーバに頻繁にアクセスして最近の変更を監視し、変更されたソースファイルを取得します。自動化ビルドプロセスのクライアントワークスペースの定義と関連するhaveリストも、サーバ上のストレージとメモリを占有します。ビルドファームサーバを使用すると、自動化ビルドプロセスの負荷を個々のマシンに分散できるため、メインのHelixサーバのリソースをユーザの日常業務で使用できるようになります。
ビルドファームサーバは、リリース2012.1のHelixサーバで導入された機能です。リリース2013.2でエッジサーバが導入されたため、現在ではビルドファームサーバの代わりにエッジサーバを使用することをお勧めしています。コミットエッジで説明しているように、エッジサーバにはビルドファームサーバのすべての機能が組み込まれています。また、ビルドプロセスの一部として書き込みコマンドを実行できる柔軟な新機能により、ビルドファームサーバと比べてより多くのタスクをメインサーバからエッジサーバに移行して、パフォーマンスを向上させることができます。
ビルドファームサーバとして使用するHelix Coreサーバでは、以下の処理を実行できる必要があります。
- クライアントワークスペースの作成と構成
- クライアントワークスペースの同期
読み取り専用レプリカではなくビルドファームサーバを実装する場合の問題点は、Helixサーバ環境の場合、上記のいずれの操作でもメタデータへの書き込みが必要になるということです。
- ビルド環境でクライアントワークスペースを使用するには、クライアントワークスペースのルートしかない場合であっても、そのワークスペース上にビルド環境固有の情報が存在している必要があります。
- また、ビルドツールを使用してクライアントワークスペースを効率的に同期するには、すでに同期されているファイルのレコードをビルドサーバで保存する必要があります。
これらの問題を解決するため、ビルドファームレプリカは、特定のメタデータの独自のローカルコピーをホストします。また、ビルドファームレプリカは、読み取り専用レプリカ環境でサポートされるHelixサーバコマンドのほかに、p4 client
コマンドとp4 sync
コマンドもサポートします(対象のレプリカにバインドされるワークスペースに適用された場合)。
サーバ上の操作を監査する場合、それぞれのビルドファームレプリカサーバで独自のP4AUDIT
ログを設定する必要があります。
アップグレードの方法については、レプリカサーバをアップグレードするを参照してください。