昨年大好評いただきました通信技術の最新情報と皆様をつなぐイベント「TOYO ICT Solution Forum」を、今年もオンラインで開催します。
近い将来の次世代通信技術として「IOWN」「Beyond5G/6G」「スペースICT」など、今から考ておきたいその将来像や注目すべき評価試験トピックや、サービスを開始して3年が経った「5G」について、今だからこそ考えるべき運用における技術トピックなど、各分野の第一人者からご講演いただきます。
情報通信技術の「今」と「将来」に関心を持つ皆様を、計9セッションの特別講演/技術講演にご招待いたします。
DAY1にSYNESISセッションとして、「次世代のパケットキャプチャに求められること
~パケットからナレッジへ~」の公演を行います。
商社として世界から最新のソリューションを提供する一方、東陽テクニカはメーカーとして新たなソリューションの提供にも取り組んでいます。このセッションでは、進化し続けるネットワークインフラに追随し、東陽テクニカが目指す次世代のパケットキャプチャソリューションを紹介します。
セミナー日時
[開催日時] 2023年11月21日(火)~22日(水)
[ツール] Zoom Webinar(ブラウザからのご参加も可能です)
TOYO ICT Solution Forum 2023 よりセミナープログラム概要の確認、お申し込みが可能です。
みなさまのご参加をお待ちしています。
株式会社東陽テクニカ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:高野俊也、以下 東陽テクニカ)は、自社製の大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」ポータブル型・100GbE対応モデルを楽天シンフォニー株式会社の子会社である英国Rakuten Symphony UK LTD(以下 楽天シンフォニーUK)へ2023年3月に納入したことをお知らせいたします。
5Gモバイルネットワーク構築に資するOpen RAN※1のさらなる国際的な普及・発展を目指し開設された、同社の「楽天Open RANカスタマーエクスペリエンスセンター」(以下 本センター)に導入され、通信機器の相互接続性の検証に活用されます。
モバイルネットワークの需要が多様化していく中、複数のベンダーによる機器構成を実現し、柔軟な機器調達やネットワーク構築コストの削減が可能となるOpen RANへの期待が高まっています。オープンな規格に準拠しているため、安全性や透明性の高いRANの構築につながることからも注目されている技術です。
このOpen RANにおいて、東陽テクニカが自社開発した大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」ポータブル型・100GbE対応モデルは、高速大容量でももれなくキャプチャできる特許技術を備え、相互接続の正確な評価を可能にします。
楽天モバイル株式会社、楽天シンフォニー株式会社、楽天シンフォニーUKは、2023年3月に欧州・中東・アフリカ地域の通信事業者・通信機器サプライヤー向けにOpen RAN技術の展示を行う本センターを開設しました。※2 本センターでは、機器の相互接続性の評価や最新技術の展示、ワークショップが行われる予定です。
大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」ポータブル型・100GbE対応モデルは、本センターに導入され、通信機器の相互接続性の検証に活用されます。 東陽テクニカは、培ってきた“はかる”技術による自社開発力を強みとし、中期経営計画“TY2024”では高速通信環境の実現を事業戦略の一つとして掲げています。「SYNESIS」の本センターへの導入を通じて、今後も技術革新と産業発展に貢献してまいります。
※1 モバイルネットワーク技術の一つ。無線の送受信装置などの仕様をオープンにして、さまざまなベンダーの機器やシステムとの相互接続を可能とする標準化された無線アクセスネットワーク(Radio Access Network)。
※2 参照:「楽天、「楽天Open RAN カスタマーエクスペリエンスセンター」を開設し始動」(別ウィンドウ・外部リンク)
「楽天Open RANカスタマーエクスペリエンスセンター」は、Open RANの相互運用性を高めるための欧州におけるテストベッドとして機能し、スマートで安全な5Gの強化や、通信サプライチェーンの多様化に向けたビジネス展開をサポートしていきます。 当社は、Open RANの相互運用性を検証する取り組みの一環として、O-RAN仕様に準拠した先進技術を提供することで、事業者を支援します。東陽テクニカのポータブル型キャプチャアプライアンスである「SYNESIS」は、相互運用性の検証において100GbEと25GbEのリンクからパケットをもれなくキャプチャできる理想的なソリューションだと考えています。
]]>平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
このたび大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」の最新ソフトウェアVer7.0を2022年2月16日(水)にリリースいたしますのでお知らせ申し上げます。
「SYNESIS」製品Webページ:https://www.synesis.tech/
]]>5Gの商用サービスへの活用深化とともに、通信業界ではこれまで以上に高速かつ高品質なネットワークの継続的な提供が求められています。そのため、各通信業者は、万が一ネットワークで障害が発生した場合にも迅速な対応ができるよう、高速ネットワークに対応できるパケットキャプチャ装置を常備しています。
東陽テクニカの大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」は、100Gbpsでも取りこぼしなくキャプチャできること、持ち運びが可能であることから複数地点にそれぞれパケットキャプチャ装置を設置する必要がなく、効率的に障害解析を行える点で評価されています。
さらに、今後ネットワークがより複雑になり障害解析地点が増えることに備え、パケットキャプチャ装置の可搬性の高さが焦点となり、小型化および軽量化の要望に対応すべく開発を進めてまいりました。このたび、障害解析の利便性、迅速性に貢献するモデルとして、100Gbps対応ポータブルの大きさを50%小型化(従来品体積比)することに成功しました。
今後も東陽テクニカは、企業理念の一つである「“はかる”技術で未来を創る」のもと、技術革新と産業発展に貢献しあらゆる社会課題の解決、持続可能な社会を実現するため、ネットワーク解析・監視システムの開発・提供を進めてまいります。
(参考) 従来品サイズおよび重量:33.9 x 43.0 x 25.0cm、21.2kg
ネットワークを流れるトラフィックをキャプチャし、その統計やパケットの翻訳を表示するLANアナライザで、高トラフィックの通信障害解析を目的とした大容量パケットキャプチャ/解析システムです。
主要なイーサネット規格1/10/25/40/100GbEに対応、高速大容量であってもとりこぼしなくキャプチャできること、サポート体制が充実していることなどから、国内外の通信会社をはじめ、金融や官公庁を中心に多くのお客様に採用されています。;
これは、キャプチャしたデータをデータ記憶装置に書き込むプロセスをソフトウェアでコントロールする技術で、高速200Gbps(ギガビットパーセカンド)のデータをとりこぼしなくキャプチャすることが可能になりました。今回の特許取得を機に「SYNESIS」の世界展開を加速させるとともに、今後も高速大容量化が進むネットワークにおいて速やかな障害解析と高品質ネットワークの実現に貢献してまいります。
5Gの商用サービスへの活用、DX(デジタルトランスフォーメーション)促進など情報通信技術を活用した産業の変容により、今後ますますネットワークの高速大容量化、複雑化が進みます。それに伴い、ネットワークの障害対応に必要とされる専用のパケットキャプチャ装置の需要も高まると予想されます。
東陽テクニカは2018年9月に書き込み高速化の仕組み(高速データ書き込み技術)に関する技術で特許を取得しました。この技術によって、自社開発製品の大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」は、100ギガビットでも全てのパケットを長期間ロスすることなくキャプチャし続けることに世界で初めて成功しました。
さらに、書き込みプロセスに改善を加えることでさらなる高速ネットワークに対応できることを発見し、今後いっそう高速化するネットワークのデータを取りこぼしなくキャプチャするために、開発を行いました。
このたびの技術によって、自社開発製品の大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」は、200Gbps(ギガビットパーセカンド)のスピードであっても全てのパケットを長期間ロスすることなくキャプチャし続けることに成功しました。
今後も東陽テクニカは、企業理念の一つである「“はかる”技術で未来を創る」のもと、技術革新と産業発展に貢献しあらゆる社会課題の解決、持続可能な社会を実現するため、ネットワーク解析・監視システムの開発・提供を進めてまいります。
]]>テレワークや電子決済の普及拡大、5Gサービスの本格化に伴い、ICTを活用してあらゆる人とモノがいつでもどこでも接続できる新しい社会への移行が急速に進んでいます。
本フォーラムでは5G/Beyond5G、DX、次世代ICTなど近未来を見据えた最先端のICTテクノロジにフォーカスし、テーマ別に最新技術トレンド・測定/運用監視手法をご紹介します。また、特別講演では最前線で活躍されている各界の第一人者をお招きしご講演いただきます。
ご参加お待ちしております。
詳細・お申し込みはこちら:https://www.toyo.co.jp/ict/seminar/detail/TISF2021.html
]]>詳細はSYNESISポータルサイトを参照ください。
https://www.synesis.tech/synesis_appeal/
【対象】現在「SYNESIS」 V3.5、 V4.0、 V4.5ご利用のソフトウェアサポート対象のお客様
Ver5.0の詳細についてはSYNESIS製品サイトをご覧ください。
]]>株式会社東陽テクニカ(本社?東京都中央区、代表取締役社長?五味 勝)は、100 ギガビットイーサネット (以下 100G)でも全てのパケットをロスせず連続してキャプチャできる大容量パケットキャプチャ/解析システム 「SYNESIS(シネシス)」に搭載しているコア技術“データ書き込み装置及び方法”について、2020年3月に米国での特許を取得したことをお知らせいたします(米国特許番号?US 10,585,622)。 同技術は2018年9月に日本において特許を取得しており、それに続く米国での特許取得となります。これにより「SYNESIS」の世界展開を加速させると共に、今後も高速大容量化が進むネットワークにおける速やかな障害解析と、高品質ネットワークの実現に貢献してまいります。
米国特許番号?US 10,585,622 発明の名称?「Data writing device and method」
(日本での特許?特許第6377304号 発明の名称?「データ書き込み装置及び方法」)
キャプチャしたパケットデータを記憶装置に書き込んで保存する際に、別装置を用いず、ソフトウェアで「並列書き込み」と「ロードバランス」を実行して、取得したデータを複数の内部記憶装置へ書き込むプロセスをコントロー ルする技術です。処理が重なるなどしてシステムに負荷がかかった際に、データ書き込み性能が低下して記録漏れが発生する問題を解決し、100%のキャプチャを可能にしました。「並列書き込み」とは、個々の記憶装置毎に書き込み処理を並列化して実行することであり、「ロードバランス」はある記憶装置で書き込み性能が 低下した際に、書き込み性能が高い記憶装置を選んで次のデータを割り振る処理を言います。
大容量パケットキャプチャ/解析システム
「SYNESIS」 ポータブル型・100Gモデル
当技術の開発によって、自社開発製品の大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」は、100G でも全てのパケットを長期間ロスすることなくキャプチャし続けることに世界で初めて※1成功しました。2015年6月に販売を開始し、日本以外でも米国を始め東南アジア、ヨーロッパ、オセアニアなどの複数の国で導入の実績があります。その技術の独自性が認められ、2018 年 9 月の日本での特許取得に続き、2020 年 3 月に米国での特許取得が実現しました。 ※1 2020年7月東陽テクニカ調べ
ネットワークを流れるトラフィックをキャプチャし、その統計やパケットを翻訳して表示するLANアナライザで、高トラフィックの通信障害解析を目的とした大容量パケットキャプチャ/解析システムです。主要なイーサネット規格1G/10G/25G/40G/100Gに対応した全16モデルを取り揃え、高速大容量であっても取りこぼしなくキャプチャできること、顧客毎の運用状況や要望に応じたカスタマイズ提案ができること、サポート体制が充実していることなどから、国内外の通信会社をはじめ、金融会社や官公庁を中心に多くのお客様に採 用されています。
東陽テクニカは 1953 年の創立以来、世界最先端の計測機器の輸入販売を行ってきました。現在の事業分野は、情報通信、自動車、エネルギー、EMC(電磁環境両立性)、海洋、ソフトウェア開発、ライフサイエンスなど 多岐にわたり、独自の計測技術を搭載した自社製品の開発にも力を入れ、国内外へ事業を拡大しています。 「“はかる”技術で未来を創る」のスローガンのもと、5G(第 5 世代移動通信システム)の普及や自動運転車開発なども支える最新ソリューションを提供することで、安全で環境にやさしい社会づくりと産業界の発展に貢献してまいります。
株式会社東陽テクニカ Webサイト?https://www.toyo.co.jp/
]]>大容量パケットキャプチャ/解析システム
SYNESISポータブル型・200Gモデル
IoTの普及によるネットワークに接続されるデバイスの増加、ビッグデータ解析の進展、5Gの商用サービス開始などによってネットワークの高速・大容量化が急速に進んでおり、通信事業者は100Gbpsの通信速度を保証した通信サービスの提供を増やしています。そこでは、ファイアウォールやロードバランサなどネットワークを構成するネットワーク機器も通信速度100Gbpsに対応したものを使用し、通信事業者は送信・受信合わせて200Gbpsの通信品質を顧客に保証しています。
しかし、ネットワークで障害が発生した際200Gbpsに対応できるパケットキャプチャがなく、迅速・正確な障害解析と対策の実施ができないことが課題となっています。
そこで東陽テクニカは、この課題を解決し高速大容量の通信サービスの品質向上に貢献するため、大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」ポータブル型・200Gモデルを開発しました。
大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」ポータブル型・200Gモデルは、ネットワークを流れる最大200Gbpsまでのトラフィックをキャプチャし、その統計やパケットの翻訳を表示する世界初のLANアナライザで、高速トラフィックの通信障害解析を目的とした大容量パケットキャプチャ/解析システムです。特許技術を搭載し、全てのパケットをとりこぼしなく100%かつ連続してキャプチャできることから、通信事業者は200Gbpsのトラフィックが流れるネットワークで障害が発生した場合でも、迅速・正確な障害解析ができ、200Gbpsのトラフィック品質を保証する通信サービスの提供が可能になります。また、障害発生によるネットワークダウンタイムの損害を低減するとともに、企業価値の毀損防止に貢献します。加えて、持ち運び可能なポータブル型で複数地点を移動して使用できるため、データセンター毎のシステム設置が不要となり、導入コストの削減に寄与します。
今後もワン・テクノロジーズ・カンパニーは、“はかる”技術を追求し、テクノロジー・イノベーターとして、世界で“オンリーワン”“ナンバーワン”の革新的な製品・ソリューションを提供してまいります。
※1 200ギガビット・フルレートパケットキャプチャ・ポータブル型において。2019年4月9日現在。東陽テクニカ調べ。
製品の詳細については、東陽テクニカ情報通信ページを参照してください。
]]>去る3月4日~7日まで、米国・サンフランシスコのモスコーニセンターにてRSA® Conference が開催されました。発表によると 世界各地域から42,000名もの来場者が訪れ、31基調講演、740 講演者と621セッションが行われました。展示企業は700を超え、東陽テクニカはTOYOTech LLC(東陽テクニカ米国子会社)とともにTOYO Teamとして参加致しました。撮影した写真をアルバムビデオとして公開しています。ぜひ御覧になってみてください。
東陽テクニカブースでは、大容量パケットキャプチャ/解析システム「SYNESIS」をメインに展示しました。この製品は1GbEから100GbEまでパケットロスなくキャプチャでき、この点においては他社も実現していない大きな特長を持った製品です。10Gでも100Gでも(またはそれ以上でも)パケットロスなくキャプチャすることが、なぜネットワークフォレンジックや解析に不可欠な点となるのか、2分間の動画を公開しています。
SYNESIS and the importance of capturing 100 percent of all data frames
この展示会では現在開発中のセキュリティ製品もお披露目いたしました。ポータブルタイプのアプライアンス製品で、数々の機能を備え、リスクや脅威および脆弱性の包括的管理、方針にのっとったデータの記録・証跡の保存を行います。(現在関連技術は特許申請中です)
さて今回の展示会で最も大きな出来事は、CFI (Cyber Forensic Investigation) Challengeだったかもしれません。モスコーニセンターでサイバー犯罪が起こったと仮定し、ブースでその解決に協力してくれるよう来場者に協力をお願いしました。来場者は東陽ブースの他にFlowmon社 (https://www.flowmon.com/)とLogz.io 社(https://logz.io/)のブースを訪問し、証拠を入手します。3つの証拠が揃ったら 「犯人」が何なのかを答えます。すべてのブースをまわり、犯人を書いた紙を提出してくださった方は45名もいらっしゃいました。
さて、「犯人」(正しい答え)は「Wannacry」 ransomwareだったのですが、なんと95%の方が正解でした。個人的には50%程度の正解率だと思っていただけに、のけぞるほど驚いてしまいました。実はこのチャレンジは抽選でギフト券が当たるというオプションがあり、先週抽選を行いました。興味のある方は抽選の様子も御覧ください。
最後に東陽テクニカブースにお寄り頂き、SYNESIS に興味を持ってくださった皆さまに感謝を申し上げます。また来年会場で、(またそれよりも前に別の機会で!)お会いできるのを楽しみに致しております。
]]>まず、パケットキャプチャ装置が必要になる状況について少し考えてみてください。
ネットワークで障害が発生し、パケットのキャプチャが必要な場合、どうしますか?最も多い回答は、ノートPCを持ち込み、Wiresharkでキャプチャすることでしょう。
しかし、ネットワークの回線が10Gbps以上の場合はどうでしょうか?Wiresharkはキャプチャしたデータをメモリ上に展開するため、高レートのトラフィックではすぐにフリーズしてしまいます。パケットを取りこぼさないという保証もありません。そのため、10Gbps以上の回線に対してWiresharkでキャプチャすることは全く現実的ではないと言えます。
重厚なラックマウントタイプのパケットキャプチャ装置を使用するのは良い選択です。長期間のキャプチャデータ保存が可能であるため、トラフィックを詳細に解析して問題点を導き出し、スムーズな問題解決につなげることができるでしょう。
しかし、そのネットワークにキャプチャ装置が取り付けられていない場合はどうでしょうか?新たにラックマウントタイプのパケットキャプチャ装置を購入し、現場に取り付けますか?しかし、これではキャプチャを開始できるまでに時間がかかりますし、取り付け箇所毎にコストがかかってしまいます。
そんな時にポータブルタイプの出番です。ポータブルタイプの魅力は何と言っても可搬性からくる手軽さです。1台所有していれば、どこで障害が起きようと、すぐさま現地に行ってキャプチャを開始できます。
ここまでは一般的なポータブルタイプのパケットキャプチャ装置の話であり、1Gbps/10Gbpsの回線であればフルレートキャプチャ可能な従来製品もあります。ただ我々が課題として捉えたのは、2014年時点でも「来るべきネットワーク」と言われていた100Gbpsの回線に対し、ポータブルタイプの手軽さをいかに提供するかということでした。様々なメーカーに実現してくれるよう交渉しましたが、残念ながら1Gbpsと10Gbpsの世界がメインだった当時は、どのメーカーも「時期尚早」な100Gbps対応のポータブルタイプには見向きもしてくれませんでした。
そこで我々は、新たなキャプチャ製品をチームで一から開発することにしました。
本製品は100Gbpsのキャプチャ性能を持ちながら、可搬性があることが最大の特徴です。「可搬性がある」ということは、持ち運べるだけの軽量化がなされており、かつ搬送時の衝撃に耐えられる耐久性を持っている、ということです。我々は、HDDよりも物理的な衝撃の影響を受けづらく、かつ軽量なSSDを採用し、専用の筐体に取り付けることでこれらを達成しました。
SYNESISをキャリーケースに入れて一人で現場へ向かい、パケットをキャプチャします。モニタ、キーボード、タッチパッドも筐体に付属していますので、他には何も必要ありません。その場でトラフィックを解析することも、一旦持ち帰って別アプリケーションを使用することもできます。PacketReplayer®(※2)を使用し、ラボの検証用ネットワークにキャプチャしたパケットを流すこともできます。しかも、キャプチャした100Gbpsのレートそのままに!
ご所望とあれば、長距離の輸送用にハードキャリーケースのご用意もあります。
これはSYNESISにおいて最も重要な要素です。SYNESISはワイヤレートでの100%キャプチャを妥協せず追求しています。しかし、可搬性との両立は簡単ではありません。
キャプチャ性能のボトルネックは通常ストレージの書き込み性能です。100Gbpsのトラフィックをキャプチャする場合、単純計算で12.5GB近いデータを”毎秒”保存しなくてはなりません。ご自身のPCストレージへのアクセスを想像してみてください。12.5GBのデータのコピーには一体どれだけの時間がかかるでしょうか?100Gbpsのレートに耐えうる性能を持ったストレージを用意することがどれだけ難しいか、ご想像いただけると思います。しかも、これを長時間継続して達成し続けなければなりません。
ポータブルタイプの場合、スペースの問題でラックマウント型のように多くのストレージを内部に持たせることができません。そのため、ラックマウント型よりもさらにストレージ性能の問題が顕在化します。
我々は、できる限り小さいスペースに多くのディスクを搭載できる100Gbpsキャプチャ専用の筐体を開発し、できる限り少ないディスクで性能を達成するためのSSD性能評価を繰り返し、効率の良いデータ書き込み方法を模索し(別ブログ記事参照 )、ポータブルマシン上での100Gbpsトラフィックフルレートキャプチャに成功しました。
何度も言うようですが、この記事を書いている時点では世界唯一です。
並列化とロードバランスを用いたデータ書き込み
通常、熱の問題を意識することはあまり多くありません。ラックマウントタイプであれば、十分なエアーフロースペースにより簡単に解決できる問題です。しかし、ポータブルタイプでは上述のように、できる限り小さいスペースに多くのディスクを搭載する必要があります。必然、パーツの密度が上がります。SSDの発熱というのはHDDよりも小さなものですが、多くのSSDには、温度がある一定のしきい値を超えるとSSD内部のコントローラが性能を制限してしまう、という特性があります。これはキャプチャ性能に致命的な影響をもたらします。さらに、キャプチャカードやトランシーバの発熱も相当なものです。
SSDの使用温度範囲を超えたことによる書き込み性能の劣化
我々はラックマウントタイプでの経験を生かし、本製品発売の1年近く前にはポータブルタイプ用の筐体上で100Gbpsキャプチャ性能を実現していました。しかし、そこからが苦難の道のりでした。当時は性能を優先して厚さ15mmのSSDを使用していましたが、発熱量が多く、耐用温度も他SSDより相対的に低かったため、どうしてもそのままの筐体では熱の問題が解決できなかったのです。これを受け、現在のものよりも20%程大きな筐体を新たに試作し、一旦は熱の問題が解決されました。しかし、それは残念ながら持ち運びには難しいサイズ・重量のものとなってしまいました。これでは我々の目的は達成されません。そのため、SSDの選定から改めてやり直すこととなりました。
その後、厚さ7mmのSSDを選定し直し、筐体全体のエアーフローの改善を続け、我々は一般的な使用温度範囲である35℃までの環境で使用可能なポータブル製品を完成させました。もちろん、可搬性と十分なキャプチャ性能は残した上で、です。ディスクを格納するディスクベイにもファンが取り付けられ、エアーフローを最適化します。これにより、(多少のファン回転音は鳴りますが)長時間キャプチャを行っても性能劣化を起こさずに使用することができます。
これから先、まず我々が目指していくのはBidirectional 100G、つまり200Gbpsの性能です。現在主流であるPCI Express 3.0は、規格上1レーンあたり8GT/s、16レーンのスロットでも128GT/s、つまり128Gbps未満のスループットまでしか到達できず、そこがボトルネックとなっています。PCI Express 4.0に対応したマザーボードが使用可能となれば、1レーンあたり16 GT/s、16レーンで256GT/sのスループットが可能となります。
既に我々のマシン上ではストレージ性能はボトルネックではありません。PCI Expressなど周辺の環境さえ整えば、200Gbpsの性能も手の届きそうなところまで来ていると言えるでしょう。
※1 2018年10月25日時点
※2 PacketReplayer®はキャプチャされたデータを再生し、検証環境上でキャプチャ時のトラフィックを再現することができる機能です。
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]]>製品の詳細については、こちらを参照してください。
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