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  SMM (走査型マイクロ波顕微鏡法) 見えないものが見えてくる多彩なイメージング機能  


AgilentのSMM(走査型マイクロ波顕微鏡法: Scanning Microwave Microscope)モードは、マイクロ波ネットワーク・アナライザ(PNA)の幅広い電気測定機能と、原子間力顕微鏡(AFM)の優れた空間分解能とを組み合わせたものです。
SMMモードは、従来のSCM(走査型キャパシタンス顕微鏡)法よりも性能が優れています。 アプリケーションの汎用性も高くなり、業界最高の感度とダイナミックレンジを実現します。

◆主な特長

優れた空間分解能と電気分解能を実現
業界最高の感度とダイナミックレンジ
複素インピーダンス(抵抗とリアクタンス)、校正キャパシタンス、校正ドーパント濃度、
  トポグラフィなどの測定が可能
全半導体に対応: Si、Ge、Ⅲ-Ⅴ族(GeAs、InAs、GaNなど)、Ⅱ-Ⅳ族(CdTe、ZnSeなど)
金属、半導体、誘電体、強誘電物質、絶縁体、生体サンプルなどへの幅広い応用が可能
複数の周波数で作動 (6GHzまで可変)
酸化膜が不要


SMMの構成

 測定モード   S11(キャパシタンス)、 dC/dV (要MACⅢ
 周波数   2 GHz ~ 6 GHz 
 キャパシタンス   1.2 aF 
 ダイナミックレンジ   1014 atoms/cm3 ~ 1020 atoms/cm3 
 空間分解能   2 nm 以下 (プローブにより異なります) 
 カンチレバー   固体金属プローブ 
 スキャンレンジ   X-Y軸: 90µm×90µm 以上、 Z軸: 8µm 以上 

◆原理

SMMは、プローブ-試料間のインピーダンスを、ネットワーク・アナライザ(PNA)を用いて2次元可視化する新しいイメージング法です。 PNAから試料表面に数GHzのマイクロ波を照射し、同時に入射波反射波を測定します。 マイクロ波の複素反射係数(Γ)は下記の関係式から求められますので、入射波(Vincident)、反射波(Vreflected)を求めることで、試料のインピーダンス(ZL)を算出できます。



複素反射係数(Γ)の最大感度は、試料のインピーダンス(ZL)が伝送線の特性インピーダンス(Z0、通常は50Ω)と一致する共振で得られます。 この共振の近傍で測定した複素反射係数は、接触点における試料のインピーダンスと直接相関します。 わずかに異なるインピーダンス信号の小さな変化はバックグラウンドと分離され、結果として極めて高い感度が得られます。 抵抗の変動を無視できる場合には、測定されたインピーダンス信号は試料のキャパシタンスの変化を示します。 校正を行えば、表面トポグラフィと共にキャパシタンスの値が得られます。


入射波反射波透過波


反射率 (反射波/入射波) 透過率 (透過波/入射波)

SMM用ノーズコーン




形状像
キャパシタンス像
dC/dV像

SRAMのSMMイメージ

キャパシタンス像およびdC/dV像では、ドープされた p-well と n-well の交替がはっきりと示されています。

形状像
   →   
拡大

dC/dV像
   →   
拡大


SRAMのSMMイメージ
青枠 の部分の n-well


D画像上の矢印(↓)に示される通り、幅10~20nmの微細な線構造が観察されています。




形状像
キャパシタンス像
dC/dV像

ドーピングしたSiGeデバイスのSMMイメージ

キャパシタンス像およびdC/dV像では、形状像では見られないドーパント構造が観察されています。






形状像
インピーダンス像

InGaP/GaAsヘテロ結合バイポーラトランジスタのSMMイメージ

インピーダンス像では、複数のドーピングレベルを持つ
エミッタからサブコレクタまでの領域が明瞭に観察されています。
(W. Han、 試料提供: T. Low)






形状像
インピーダンス像

金基板上で乾燥させたバクテリア(geobacter sulfurreducens)のSMMイメージ

SMMは、試料表面の酸化膜が不要のため、幅広いアプリケーションで利用できます。
(試料提供: アリゾナ州立大学 N. Hansmeier、T. Chau、R. Ros、S. Lindsay)