電気化学評価
リチウムイオン電池、燃料電池、太陽電池等、各種電池の評価から、
有機ELや液晶等の物性評価まで幅広く対応できる計測・評価システムを供給しています。
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1 電気化学測定とは 電気化学測定とはセル(サンプル)に対し電気的な信号を印加し化学的な反応を起させたり、応答信号から内部で起こっている化学的反応を考察することであるといえます。 一般的な例では水の電気分解があります。右図のように水中に2つの電極を入れて電極間に電流を流すと水が電気分解されて正極からは水素ガスが、負極からは酸素ガスが発生します。各々の電極では右記のような化学反応が起こっています。 電気化学測定では前述の2電極測定のほかに、参照電極と呼ばれる電位の安定した電極を1つ追加して測定をすることが一般的です。2電極での電気化学測定の場合、両極の反応を総括した情報しか得られませんが、参照電極を使うことにより片側の電極の反応だけを観察できるようになります。 |
![]() 水の電気分解 ![]() 2端子、3端子、4端子測定 |
2-1 直流分極測定 直流分極測定は参照電極と観察したい電極間の電位を一定に制御してセルに流れる電流を測定したり、セルに流れる電流を一定に制御して電位を測定する電気化学測定手法です。制御する電位/電流を三角波、矩形波、ステップ波などの波形でスイープし、電位-電流曲線、時間-電位/電流などのグラフに表示しそのデータから得られる情報を考察します。 ○ サイクリックボルタンメトリー(CV法) ○ ポテンショメトリ、クロノアンペロメトリー、クーロメトリー ○ ターフェルプロット ○ 電気化学ノイズ測定 |
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2-2 電気化学インピーダンス(EIS)測定 (交流インピーダンス法) EIS測定はセルに非常に微小な交流信号を印可し、電圧/電流の応答信号からセルのインピーダンスを測定する電気化学測定手法です。直流分極測定に比べて下記のような優位点があり、様々なアプリケーションで広く採用されています。 ○ セルに与えるダメージが少ない ○ 測定時間が短い ○ 得られる情報量が多い |
![]() コールコールプロットへの フィッティング |
| 3 電気化学測定に必要な計測器 3-1 ポテンショ/ガルバノスタット(P/Gスタット)
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| P/Gスタットを選定する際の注意点は主に下記の通りです。 ○ 最大制御電圧 ○ 電流値と最小分解能 ○ 分極制御の安定度と応答速度(周波数応答) ○ DVMの測定精度、分解能、サンプリングレート ○ ノイズ除去機能 特に周波数応答はインピーダンス測定をする際に、上限の周波数が制限される要因となりますので、なるべく周波数応答の速いP/Gスタットを選択することをお薦めします。 |
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3-2 周波数応答アナライザ(FRA) FRAはかつてサーボアナライザと呼ばれ、主に電気回路や機械系制御回路の伝達特性を測定する測定器として用いられていました。FRAが電気化学の分野でインピーダンス測定に使用され始めたのは1980年代です。それまではオシロスコープを使ってのリサージュ法やブリッジ回路を使用して、セルのインピーダンスを測定していました。 FRAが電気化学のインピーダンス測定に用いられるようになった理由は、精度の良さと取り扱いの簡易性にあります。FRAで採用されているアルゴリズムはデジタル相関法(右図参照)と呼ばれ、内部のジェネレータから単一周波数の交流信号を出力し、その出力信号に同期をかけて応答信号をサンプリングするという方式です。これにより応答信号から出力信号と同一の周波数成分のみ抽出できるため、ノイズ除去機能に優れ、分析したい周波数成分の応答のみを解析することができます。 また周波数を自動スイープする機能があるため、簡単にEIS測定が行えます。 |
![]() デジタル相関法のブロック図 |
◎FFTアナライザ(高速フーリエ変換)との比較 FRAではFFT(高速フーリエ変換)に比べ10倍以上の振幅・位相精度があり、周波数範囲もμHz~MHzと非常に広範囲をカバーできる特徴を持っています。FFTでは周波数ライン数が決まっていますので1回の測定でカバーできる周波数範囲は限定されます。詳細は下記のFRAとFFTの比較表をご参照下さい。
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◎ロックインアップとの比較 FRA方式をロックインアンプ方式と混同しがちですが、基本的にロックインアンプはある信号から参照信号を使って特定の周波数成分を取り出す測定器であり、FRAのように内部の発信器から出力する信号に同期をかけて応答信号をサンプリングするデジタル相関方式とは異なります。またロックインアンプは信号をアナログ処理しているのに比べ、FRAでは発信部も含めてデジタル処理していますので、ロックインアンプのように参照信号の波形歪の影響を受けることもありません。FRAなら1回の積分で高調波成分を-60dB(1/1000)以下にすることができます。 現在ではP/Gスタットを使用しなくてもインピーダンス測定のできる電流変換器内蔵のFRA(1260型インピーダンス/ゲイン・フェイズアナライザ)があり、分極制御を必要としない低コンダクタンスサンプル(固体電解質、絶縁膜、半導体など)の測定はFRA単体で行えます。P/Gスタットを使用しない場合、高周波数側は32MHzまでのインピーダンス測定が可能です。 |
![]() 相関法による高調波成分と 雑音除去 |
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3-3 電流アンプ 電流アンプはインピーダンス/ゲイン・フェイズアナライザの電流分解能ではカバーできないような高抵抗サンプルを測定するときに使用します。電流アンプの機能は微少電流を電圧に変換・増幅することで、別名 I/Vコンバータとも呼ばれています。 計測する微少電流値によって、高速電流アンプ、エレクトロメータなどの機種を選択する必要があります。電流アンプを使用するときの注意点としては、電流アンプの周波数応答によってインピーダンス計測をするときの高周波域が制限されてしまうことです。あらかじめ周波数特性が周知のデバイス(抵抗)などで電流アンプの周波数特性を調べておく必要があります。 |
| 3-4 誘電率測定用インターフェイス(1296型) このインターフェイスは高抵抗、低誘電損失(tanδ<10-2)の誘電体を測定するために開発されました。前述の電流アンプを組み合わせるだけでは高抵抗のサンプル測定は可能でも、低損失のサンプル測定はできません。 このインターフェイスには較正用の標準コンデンサが付属しており、このコンデンサを測定したデータを使って測定データを位相補正するようになっています。 これにより測定系の浮遊インピーダンスの影響はもちろん、低損失のサンプルでも測定が可能になります。 |
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4 電気化学測定のシステム構成例 |
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| では、実際に固体電解質のインピーダンス測定例を見てみましょう。(アプリケーションノート1へ) | |||||||






P/Gスタット内部回路図



